8.04.2013

KURATA PEPPER

プノンペンにあるKURATA PEPPERという胡椒やさんにいってきました。
あまり意図せず行ったんだけどたまたまオーナーの倉田さんに出会って色々とおもしろい話が聞けたからまとめます。

倉田さんはカンボジアでジャーナリストとかになろうかと思ってカンボジアに来たけれど、そもそも産業がないので興そうと思って色々していた結果現在の胡椒屋に至る。

カンボジアの南端、コッコン州スラエインバルに契約農家を持ち、加工等は自分たちで行っている。

以下聞いたことまとめ。

・カンボジア産が「ベトナム産」として輸出されている現状
ベトナムだけではなくタイなど周辺国産としてカンボジア産の胡椒が輸出されている。
例えばタイでは胡椒輸入量1000トンと言われているが、
実際は3000トンほどカンボジアから輸入している。
理由は、カンボジアには市場・加工工場がないために胡椒を加工して輸出できないから。
さらに、プノンペンから遠い地域ではベトナムのホーチミンの方が市場として近いため、農家はそちらに売りに行くし、ベトナムのバイヤーがカンボジアに買付にくる場合もある。
カンボジア産胡椒を輸出するためには、市場と加工技術の確保が必要となる。

・カンボジア産胡椒へのこだわり
カンボジア産の胡椒はインドネシア種に近いものであり、固有のものである。
しかし戦争などでカンボジア胡椒の伝統が途絶え、
現在は多くの農家が品種改良されたインド種に近いベトナムの胡椒を栽培している。
そこで、伝統的なカンボジア胡椒を育てぬいてきた農家に出会い、
その農家さんとともにカンボジアの胡椒の振興を始めた。
ちなみにカンボジア胡椒のほうが香りが高い。

・国際コショウ共同体について
国際コショウ共同体はインド、マレーシア、インドネシア、ベトナム、スリランカ、ブラジルの6カ国が加盟している胡椒に関する共同体。
国際コショウ共同体は胡椒の価格調整を行う団体。
過剰生産の年は備蓄するなどして価格の暴落を防ぎ安定的な収入と供給を支える。
ちなみにマレーシアでは胡椒の流通制度が発達していて、
農家が政府(?)に収穫した生豆の胡椒を持って行くと
選別、加工、輸出を一挙にやってくれるらしい。
これはマレーシア政府が胡椒産業を重点産業として扱っているからこそ!
カンボジアでは国が胡椒に力を入れていないこともあり、
胡椒生産量はスリランカに次ぐ第7位にも関わらず
国際コショウ共同体には加盟していない。

・農協について
カンボジアには全国的に組織立った農協(全農)のような機関はなく、
各地で自主的に組織された農協が3000ほどある。
このうち成功しているところでは信金を設立したりしているが、
基本的にはトラクターを共有するなどのレベル。
ちなみにコショウに関しては今年の2月にカンボジアコショウ生産者の会が開かれ
コショウ生産に関わる人たちが情報共有する場ができてきつつある。

・有機農業認証制度について
カンボジアにはCOrAA(Cambodian Organic Agriculture Association)という認証制度がある。
一般の国内消費者は有機に対する関心がまだ薄く、
この認証を重視しているのは現在高級な国内消費、例えばレストランやホテルなど。
輸出用でもないらしい。
国指定の制度はまだないため現在促しているところらしい。
ASEAN域内で有機農業統合の動きはでていて、そこにのっかれるような輸出用制度の確立も望まれている。
ちなみに日本の有機農業は完全な無農薬ではないためJASはCOrAAよりもゆるいらしい。

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