大分ご無沙汰しましたが、昨年度留学したコース「Graduate Diploma in Economics」について書こうと思います。日本にはない選択肢なのですが、行ってよかったと思ったのでシェアします!
留学記事①「イギリスの大学のスケジュール」はこちら
留学記事②「イギリスの寮生活」はこちら
早速ですが、Diplomaコース、日本にはないので聞き覚えのない方が大半だと思います。私はDiplomaというコースでしたが似たような位置づけで「Pre-master」、「English for Academic Purpose(EAP)」というコースがあります。
これら全て簡単に言うと、大学院準備コースです。
アメリカやイギリスの大学では、大学院に入るにはその専門の単位を学部で取得してあることが入学要件になります。そこで、大学院から専門を変えたいけれども、学部で必要単位を取得してこなかった人のために、1年で必要単位を用意できるように組まれたコースが、Diplomaやpre-masterコースになります。
私は大学院で農業経済を学びたかったのですが、学部において必要な経済学の授業を取ってこなかったのでGraduate diploma in Economicsという授業で経済学の単位を揃えてからMasterに行くことを決めました。(学部時は農学部食料・環境経済学科でしたが、名ばかりの学科だったので…)
ちなみに、イギリスでは日本の大学における教養課程が高校に組み込まれているので、日本の高校から直接イギリスの学部に進学したい場合は「Foundation」という学部準備コースに入らなければなりません。
厳密には学部生のためのDiplomaもあるのですが、ここでは大学院のためのDiploma (Graduate Diploma)について紹介します。
ちなみに、EPAの授業ではどの大学でも大抵5〜10人ほどいるので友達はできるそうです。(しかも結構楽しそう)
<取ってよかったか?>
私には、学部を卒業する時点で、自分が当時持っていた単位で進める農業経済・農業開発系のMasterコースがありました。けれどもしっかりと農業経済をやりたいということで1年遠回りしてDiplomaに行くことにしました。
この1年のよしあしはこれからMasterに行って初めて気づくことではあると思うのですが、現時点では行って良かったと感じています。恥ずかしながら4年間で経済学をほとんど勉強してこなかったのですが、このように1年間で濃縮して取得できて、Masterで興味のある研究に取り組めるのであれば遠回りも悪くないかな、と。
この夏帰国してから学部時に在籍していたゼミに顔を出してきたのですが、やはり自分がやりたことはそこではなかったので、経済学分野に舵を切ってよかったとも感じます。
また、この1年で出会った社会人経験者の方にDiplomaの説明をすると、みんなそれは良い選択だと言ってくれたので、それで肯定感が強くなったのもあるかもしれません。
留学記事①「イギリスの大学のスケジュール」はこちら
留学記事②「イギリスの寮生活」はこちら
- Diplomaとは?
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画像はhttp://dc.vistage.com/blog/2012/08/the-great-imposter-syndrome-how-overcome-fears-anxieties-being-leader/girl-with-question-mark/より |
早速ですが、Diplomaコース、日本にはないので聞き覚えのない方が大半だと思います。私はDiplomaというコースでしたが似たような位置づけで「Pre-master」、「English for Academic Purpose(EAP)」というコースがあります。
これら全て簡単に言うと、大学院準備コースです。
アメリカやイギリスの大学では、大学院に入るにはその専門の単位を学部で取得してあることが入学要件になります。そこで、大学院から専門を変えたいけれども、学部で必要単位を取得してこなかった人のために、1年で必要単位を用意できるように組まれたコースが、Diplomaやpre-masterコースになります。
私は大学院で農業経済を学びたかったのですが、学部において必要な経済学の授業を取ってこなかったのでGraduate diploma in Economicsという授業で経済学の単位を揃えてからMasterに行くことを決めました。(学部時は農学部食料・環境経済学科でしたが、名ばかりの学科だったので…)
ちなみに、イギリスでは日本の大学における教養課程が高校に組み込まれているので、日本の高校から直接イギリスの学部に進学したい場合は「Foundation」という学部準備コースに入らなければなりません。
厳密には学部生のためのDiplomaもあるのですが、ここでは大学院のためのDiploma (Graduate Diploma)について紹介します。
- Diploma, Pre-master, とEAPの違い
イギリスでは多くの大学でDiploma過程があります。私が調べたものでは、Diploma in Economics, Diploma in Development(開発学)などがありました。
ちなみに、DiplomaはPostgraduate taughtに分類されます。
一般的に、Pre-masterコースを取ると、自分がPre-masterコースを修了した大学においてMasterコースに進めるそうです。
Diplomaを取得すると、他の大学の進学要件にも取って代わることができます。
EAPは、正確に分類するとDiploma in English for Academic Purpose、またはPre-master in English for Academic Purposeとなると思うのですが、位置づけとしてはInternational studentsのための英語準備コースになります。これは、例えばIELTSやTOEFLの点数がMasterの入学要件にあわなかったり、英語力をしっかりつけてからMasterを始めたい生徒が取るようなコースです。
- 実際どのようなコースなのか?
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画像はhttp://www.pbs.org/newshour/making-sense/exposing-the-textbook-scam-how/より |
私のとったDiploma in Economicsでは、Diploma用に特別なコースが組まれているわけではなく、経済学部の2年生と3年生の授業を選択して取るかたちでした。(※イギリスの学部は3年までです。)
具体的には、
<必修>
Micro Economics (2年生用、通年)
Macro Economics(2年生用、通年)
<選択>
Introduction to Econometrics(2年生用、後期)
Mathematical Economics(3年生用、後期)
International Economics(3年生用、前期)
Development Economics(3年生用、後期)
の6つの授業をとりました。
本当はEnvironmental Economics(3年生用、前期)も履修していたのですが、後期に取りたい選択が多かったので捨てました。Essexの履修登録方法は履修制限があるので、日本のように取り放題からの捨て単位はできなかったです。
ちなみに、Diploma in Economics with EAPの友人は
Micro Economics(上記)
Macro Economics(上記)
経済数学(2年生用、前期)
のみを経済学部で取り、週の他の時間は英語の授業をとっていました。
彼は日本でも経済学部を出ているのですが(間違えてDiplomaを取ったらしい)、MicroとMacroの進度は日本よりもはやかったそうです。
なので私としては1年間に凝縮してかなり学べたな、って感じでした。
- Diplomaという選択肢
ここまではDiplomaの紹介でしたが、最後にDiplomaというコースに関して感じたことや考えたことを書こうと思います。
<コース内容>
上にも書いた通り、イギリスの授業はかなり凝縮されて密度の高いものになっているので、コース全体にはかなり満足でした。1年でミクロの教科書(ヴァリアン)1冊終えたし、マクロの教科書(マンキュー)も3分の2ほど進んだので、Masterに必要な内容は駆け足で終えられたと思います。
以前の記事にも書いたのですが、授業内容にも満足しています。
(学部は京都大学なのですが、4年間脳みそを甘やかしていた私にはLSEなどのハイレベルな大学ではなくEssexで丁度よかったように感じます。)
<コースメンバー>
実はDiplomaとして経済学部にいたのは、私ともう1人の日本人の生徒(上に書いた子)だけでした。経済学部のような大教室の授業メインだと授業を通じて学部生と友達になるのは難しく、よく一緒に勉強していた経済学部2年生の子とはサークルで知り合いました。
<コース内容>
上にも書いた通り、イギリスの授業はかなり凝縮されて密度の高いものになっているので、コース全体にはかなり満足でした。1年でミクロの教科書(ヴァリアン)1冊終えたし、マクロの教科書(マンキュー)も3分の2ほど進んだので、Masterに必要な内容は駆け足で終えられたと思います。
以前の記事にも書いたのですが、授業内容にも満足しています。
(学部は京都大学なのですが、4年間脳みそを甘やかしていた私にはLSEなどのハイレベルな大学ではなくEssexで丁度よかったように感じます。)
<コースメンバー>
実はDiplomaとして経済学部にいたのは、私ともう1人の日本人の生徒(上に書いた子)だけでした。経済学部のような大教室の授業メインだと授業を通じて学部生と友達になるのは難しく、よく一緒に勉強していた経済学部2年生の子とはサークルで知り合いました。
ちなみに、EPAの授業ではどの大学でも大抵5〜10人ほどいるので友達はできるそうです。(しかも結構楽しそう)
<取ってよかったか?>
私には、学部を卒業する時点で、自分が当時持っていた単位で進める農業経済・農業開発系のMasterコースがありました。けれどもしっかりと農業経済をやりたいということで1年遠回りしてDiplomaに行くことにしました。
この1年のよしあしはこれからMasterに行って初めて気づくことではあると思うのですが、現時点では行って良かったと感じています。恥ずかしながら4年間で経済学をほとんど勉強してこなかったのですが、このように1年間で濃縮して取得できて、Masterで興味のある研究に取り組めるのであれば遠回りも悪くないかな、と。
この夏帰国してから学部時に在籍していたゼミに顔を出してきたのですが、やはり自分がやりたことはそこではなかったので、経済学分野に舵を切ってよかったとも感じます。
また、この1年で出会った社会人経験者の方にDiplomaの説明をすると、みんなそれは良い選択だと言ってくれたので、それで肯定感が強くなったのもあるかもしれません。
- まとめ
なんだか最後のはDiploma礼賛みたいになってしまいましたが、本当は学部できちんと勉強して、大学院に進むのが理想的だとは思います。でもそうじゃなくてもやり直せる(また、社会に出てからでも、勉強したくなったらいつでも戻ってこれる)環境があるというのはすごく良いと思いました。
コース的にも、1年間で学べる量がかなり豊富なのでとてもおすすめです。
学部を卒業していきなり海外の大学院に進学するのは不安、という方はDiploma等への進学も検討されてみてはいかがでしょうか。
初めまして。社会人で大学院留学を予定しているteryと申します。私も栄養学→心理学で変換コースをとる必要があって、コースの種類を調べてこちらにたどり着きました。とても分かりやすい説明で理解しやすかったです。ありがとうございます!
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