3.02.2015

完璧主義とつきあう

自分がポジティブなときとネガティブのときの差がいい加減激しく、完璧主義だということにも薄々気づいていてるので、まじめに "Perfectionism" に関する文章を読んで少し分析してまとめてみました。(これがもう完璧主義!笑)



  • 2種類の完璧主義
まずは2つの完璧主義の紹介から。


1つめが、Pathological Perfectionism.
これが一般的に言われる「きちんとできないと無理!」という負の完璧主義で、さらに3種類にわかれます。
1)Self-oriented: 自分に対して到底不可能な基準を設定する
2)Other-oriented: 他者に対して自分の高い期待を押し付ける
3)Socially-prescribed perfectionism: まわりの人から高い期待をもたれているように感じる


2つめが、Positive Perfectionism.
これは、「仕事に全力で打ち込んでいてすてき!」な人の正の完璧主義。

少し概念的な(カルヴァンの職業召命観を彷彿させるような)話になるのですが、そもそも、完璧主義とは「自分の運命を達成し、可能性を理解し、天職を全うすることへの内側からの要求」であり、情熱をもって天職に没頭しているときのその情熱こそが「完璧主義」といえるそうです。

このタイプの完璧主義は人に限界があり、完璧が不可能なことも理解しているため、失敗から何かを学ぶことを知っています。
(なんだそれ完璧じゃないか!)


  • 負の完璧主義はどうしてうまれるのか?
正の完璧主義だけだったら最高ですよね。でも負の側面を持っているから悩んでいるわけで…原因は以下のような一連の過程だといわれています。

人生の早期の段階で、自分の何かの達成度を他人から評価されてきた
→自信をつけるのに他人の評価が基準となる
→他者の批判などに過度に傷つきやすくなる
→自分を守る方法として完璧を目指そうとする

その結果うまれた完璧主義は色々な負の感情と関連しています。
例えば、失敗への恐れ、間違えの恐れ、受け入れられないことへの恐れ、1か100かのマインドセット、過剰な量の「〜すべき」、他者は簡単に成功をつかむという思い込み、などです。



  • 良い方へむかうために。
基本的に、他者からの期待を切り離して自分の夢や欲をベースに目標を設定することが重要です。まずは、完璧主義は望ましくなくて、幻想で、到達不可能であることを理解することから始まります。次に、自分を傷つける考え方や行動をやめることです。


例えば…

・大きなゴールを1つではなく、小さなゴールを連続的に設定して、少しずつ達成していくこと。
・自分が成功できる基準を実験していみること。例えば今まで100%でやってたことを80、60%でやってみる。完璧じゃなくても死なないことがわかるとのこと。(おもしろい)
・結果だけじゃなくて過程に目を向けること。どれだけ達成したかじゃなくて、どれだけ楽しんだかも評価すること。
・不安や鬱は自分自身に「無理しているんじゃない?」という質問のきっかけにしてみること。
・たくさんのポジティブなことは、失敗して始めて出会えるということを理解する。(アメリカンだよね)もっと具体的に言うならば、最近やった失敗から学んだことや学べること全部書き出してみる。
・1か100か思考を避ける。優先順位をつけることを学ぶということ。


だそうです。
最近、「完璧主義を治すって考え方、やめませんか?」という記事を見つけてすごくいいなと思ったのですが、これは、「自分が成功できる基準を実験してみること」の例だと思います。

  • 正の完璧主義は本当か?

実験によると、Self-orientedタイプの完璧主義者はその完璧主義的側面が学業成績や人生の満足度と有意な関係があるそうです。(他2タイプは有意な結果が出なかったらしい)
しかも、学業成績に対してはポジティブな関係があり、内発的なモチベーションの高さや仕事に対する勤勉さがみられるとのことです。
人生の満足度に関しては仕事の出来具合との密接な関係があるそうで、それはなんだか完璧主義って感じですね。


  • 以上を踏まえた上での自分に対する考察
私は、1)self-oriented タイプの完璧主義です。
多分誰よりも自分自身が自分を許せなくて、たまに自分が達成したことをfacebookに書いてたくさんいいねもらって漸く自分に価値があると納得する感じです。
以前までは1と3だったのですが、大人になって親と話すうちに、親から感じてたsocially-presicribed perfectionismが解放された気がします。

原因も典型的で、親から言われる3種類の言葉として今でも残っているのが「それでできたって言えるの?」「(少しでもミスがあれば)全然ダメじゃん」「(非効率な方法をとると)ちゃんと考えて行動しろ」なので、何事も最も効率的な方法で完璧な状態にもっていって始めて、評価の対象になります。「当たり前のことを当たり前に」できていたので、過程に価値などありません。

ただ、好奇心旺盛でチャレンジ精神も豊富な家庭だったので、正の完璧主義の側面ももちあわせています。
「これ!」という目標を見つけたときのエンジンがかかる感じ、一直線な感じはとても気持ち良いし、経験上それなりの結果もついてきます。今思うと、浪人までの人生19年間、ずっとこの状態でいれたほうが異常だったのかもしれません。(19年は言い過ぎだけど、中学受験を始めた小5から)



この正と負のバランスをこじらせ始めたのは大学入学後合わない部活と合わないクラスに身を置いてからで、それまでのように「当たり前のこととを当たり前にこなせ」なくなりました。大学後半2年くらいで、他人がそう容易に成功するわけではないこと、みんなわりと失敗していること、「当たり前のことを当たり前に」は難しいということを知り少しずつダメな自分を受け入れるようになりました。新しい目標が見つかったり、気の置けない友達ができたのもとても大きいです。


  • 負の完璧主義の防止のために

ということで、正の自分をのばしてあげて、負の自分を看てあげられたらいいなと思うわけです。

まずは、自己肯定感がぬけているので、掲げた短期目標への達成度をきちんと評価してあげることかなあと思います。その際過程に目をむけることと、次の目標に対しては達成可能なものを設定すること。
高い目標をたてるよりも、たくさんPDCA回すことを考えることですね。

あとは、同じような思いをもつもの同士で「がんばってるよね」って励まし合うのをわりと今までやってきました。

具体的ではないのですが、具体的な目標設定は後ほど他の記事で書こうと思います。
他にもある気がするけれど、少し頭が疲れてきたので今日はここで…。




(参考文献)

Olsztynski, J. (2001) "Perfectionism - Is it A Good Thing?" PM Engineer. 
Diamond, S. A. (2008) "Perfectionism, Competence and Creativity" Psychology Today.
Capan, B. E. (2010) "Relationship among perfectionism, academic procrastination and life satisfaction of university students" Procedia Social and Behavioral Sciences (5) 1665-1671


0 件のコメント:

コメントを投稿

R.I.P to my dearest friend

My close friend in Tucson committed suicide It was Saturday morning here 7:30am Woke up and checked my phone Had a message from Tucson...