
3月27日から30日まで、熊本市で開催されたフェアトレードタウン(以下FTT)国際会議に参加してきました。桜が咲き誇る熊本城の近くの会議場で、約30カ国のフェアトレード(以下FT)関係者が集まってパネルディスカッションをしたり、FTショップを出したり、ワークショップをしたり、夜は関係者との食事会もあり、、FT漬けの4日間でした。
刺激をうけたこと、これからのFTとの関わり方など色々感じたことがあったのでまとめます。
- FTT(フェアトレードタウン)とは?
“フェアトレードタウンとは、市民、行政、企業、小売店、学校など街全体でフェアトレードを応援する市町村、群、県などの自治体のことです。”熊本は日本で唯一のFTTですが、世界には1000以上のFTTがあります。FTTに認定されるには、フェアトレードや地域社会に関わる6つの基準を守らなければなりません。(詳しくはフェアトレードラベルジャパンのサイトへ!)
フェアトレードラベルジャパン
今回の第8回目となるFTT国際会議は実は記念すべきアジア初の開催でした。
以下、会議で学んだこと、感じたことを書いていきます :)
- FT推進の2つのアプローチ
話を聞いていると全体的に2つのアプローチがみえてきて、ひとつは「地域社会とともにFTを取り込む」、ふたつめは「他の社会的団体とともにFTを促進する」です。
FT単体では存在感が薄くリソースも少ないため恊働するというのはいい方策ですが、そのような効率性の面だけでなく、FTは「地域経済への意識の向上・顔の見える関係の重視」につながるほか、そもそも「世界規模での環境・貧困・人権等の社会問題への解決策の1つである」という性質があるため、単体で行うのではなく、恊働して行うことが自然な動きで効果的であるのです。
地域社会との連携の例では、北海道の乳製品とFTココアのチョコレートの例や、多くの国のファーマーズマーケット等との連携がモデルかなあと思います。
他問題活動との連携は、大きなイベントを開催する際に有効な手段だと感じました。特に学生団体はこの連携を強めていくのが全体としていい結果(学生に影響を与えられる)になるのではないかなあと思います。(京大はサステイナブルウィークが6月にあるからぜひ今年もがんばってほしいな!)
また、それらとのintegratedity(そう聞こえたのですが、how integrated they areって意味で使ったのだと思います)も大切とのこと!
- FT促進の際に気をつけること
これに関して、信頼されるためにFTの内外からできることが2つあるように感じました。
まず、内からはサプライチェーンの透明性、そして生産者へ良い影響が出ていることを担保すること。特に後者は独立した団体から認証を得たり、測定可能な基準に則って測られていることが求められます。
次に、国際機関や著名な団体から支持されること。ある意味難しい話を出すよりもよほど説得力のあることかもしれません。これに関しては次の項目で書きます。
- フェアトレードタウンの意義
しかし、FTTは行政を巻き込むという意味で他のFT運動と大きく異なります。行政は一般の市民に対して広くリーチすることができるだけでなく、(基本的には)信頼されている存在です。
会議中に知り合ったオランダのFTT関係者の方が、市長を味方につけた話をしてくれました。市長がFTの味を認めたため、他でも信頼されてFTの信頼度があがり、浸透しやすくなったという話です。
FTTと似たような運動で「フェアトレード大学(FTU)」という運動があります。これも私の中で小さな存在でした。けれど、もし大学当局を味方につけたら?総長を味方につけたら?大学生協を味方につけたら?今までリーチできなかった学生にも広くFTを伝えられることができると思うし、1学生団体より学校が公式に取り組む活動の方が信頼性は格段にあがると思います。
- アジアにおけるフェアトレード
しかし勿論どの国もヨーロッパはもとより日本よりもFT浸透度合いが低い状況のようです。
・今後の打開策
アメリカ人のFT関係者の方が以下のようなアドバイスをしていました。
それぞれの国のリーダーは、それぞれの国に見合った認証制度やFT制度を用い、時によっては独自に作成し、それによって人々の行動に変化がおこるようにすべきである。
・日本の立場
以上のアドバイスを、私は、アジアはヨーロッパに倣うだけでなく独自のフェアトレード推進方策を考えるべきだ、と捉えました。日本はそのリーダー・ロールモデルとなるべく他のアジア諸国と頑張っていく必要があると感じました。
・アジア独特のきっかけ
ヨーロッパは歴史的に南の国とのつながりがあり、キリスト教精神という面からもFTが自然とうまれる土壌にあります。それに比べ、アジアが裕福になったのは戦後、または70年代や80年代です。そのようなアジアとFTはどのように結びつくのか?アジアの関係者のプレゼンを通して、「国内における貧困や社会問題とのつながり」が強いと感じました。
例えば、日本では震災後に倫理的消費が増えているという調査報告があります。香港では、2005年に開催されたWTO閣僚会議のときに様々な労働団体が各国から集まり啓発されたそうです。そして、台湾では現在中国との「アンフェア」な可能性のある内容を含むサービス貿易協定の問題があります。
経済が発展途上だからこそ国内の経済(地域経済)と結びつきながらフェアトレード文化が発展していけばいいなと個人的には思いました。
- これからの私とフェアトレード

まとめです。ここまでなんて長い文章を書いたんだろう!
(大学内でやり残したこと、やりたいことは死ぬほどあるのですが)大学を卒業すると同時にサークル活動も卒業しました。正直FTするためだけに院生になりたいくらいです。楽しいしね。
卒業後のFTとのつきあい方はぼんやり考えていたのですが、FTT国際会議のあとで新しくでてきたことは、「地元である武蔵野市をFTTにしたい!」ということです。(ゆうて武蔵野はこれから5ヶ月しか住まないけど)
会議中に東京の女子大生から「熊本市と東京都ではFTTにするにしてもアプローチがかなり異なると思うが、どのような違いが考えられるか?」という質問がパネリストに向けてありました。
これに対し、ロンドンのFT関係者の方が「ロンドンは34区にわかれているが、1区ずつFTTにしていき、半分以上がFTTとなったときロンドンをFTTと呼ぶようになった」と話していて、「これだ!」って思いました。
武蔵野市は私自身が持っているローカルネットワークもあるし、これから作り出せるものもあります。そして多分だけど、市民は市のことが好きだと思います。(これ大切だと思う)
全く形になっていないけれど、ぼんやりとそんなことを考え始めました。これからどうなるかはわからないけれど、なにかやりたいと思っています。卒業しても、みんなそれぞれの場で自分なりのFTやっていこうね!
おわり。
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